ハナノキ
Sapindaceae Acer.pycnanthum
山地の湿地や谷間などでまれにみられるカエデ属の落葉性高木。
長野、岐阜、愛知の一部にだけ自生している。 現在は街路樹として各地に植栽されることもあるが、大気汚染に弱いためあまり見ない。
葉は浅く3裂し、やや粗い重鋸歯がある。
葉の裏は粉白色で目立つ。
葉柄は葉身と同じくらい長く赤みを帯びることが多い。
街路樹として似たような3浅裂するものにフウとトウカエデがある。
フウはフウ属であるため、互生であり 鋸歯は細かく小さい。また葉先が尾状に伸びる。
トウカエデはフウやハナノキよりやや小さく鋸歯はほとんどないか、あっても、細かい。 まれに鋸歯が荒い個体もあるが、トウカエデの樹皮は明瞭に短冊状に裂けるためそこからも区別できる。
北米原産のアメリカハナノキも植栽樹であるが葉はより幅広く5裂することが多い。 近年ではハナノキとアメリカハナノキの交雑が懸念される。
開花は4月ごろで紅色の花が集まってつくため木全体が赤っぽく見える。 このことからハナノキとついた。
樹皮は灰白色で縦に深くさける。枝や幹が直線的に伸びる。